ホームへ

分が悪すぎるならサレンダー

サイト案内人のアイコン

プレイヤーは、最初の2枚のカードが配られた段階で、形勢が不利と判断した場合は、賭け金の半分を放棄してゲームを降りることができます。このルールをサレンダー(surrender)といいます。

白い幟

サレンダー(surrender)は、「降伏」という意味で、プレイヤーが自ら負けを認めるルールです。半分のチップは没収されてしまいますので、サレンダーを必要以上に多用すると勝つことができません。配られたカードがどのようなカードのときにサレンダーを行ってもよいか、しっかりと理解する必要があります。


分が悪いときはゲームを降りることができる

サイト案内人のアイコン

プレイヤーに最初の2枚のカードが配られた時点で、プレイヤーは極めて勝つ確率が小さい不利な状況と判断したならば、ゲームを降りることができます。

サレンダーを行うと、ベットした金額の半分が没収され、残りの半分が戻ってきます。

サレンダーを行ったときのチップの増減

例えば、$100のベットを行っていた場合は、$50が没収され、手に戻ってくるのは残りの$50となります。


サレンダーが有効なケースとは

サイト案内人のアイコン

サレンダーを行うと賭け金の半分が戻ってくるのは、先に説明したとおりです。一方、サレンダーを行わずにゲームを進めて勝利した場合は、賭け金と同じ額が戻ってきます。負けた場合はすべての掛け金が没収されます。

サレンダーを行わないときとのチップ増減比較

つまり、$100をベットした場合、サレンダーを行うと$50が、勝と$200が手元に残ります。負けると手元に残るのは$0です。

ここで、サレンダーを選択するか悩む同じ状況が4ゲーム続けて発生した状況を考えてみてください。この4ゲームですべてサレンダーを選択した場合は、1ゲームあたり$50負けとなり、4ゲーム合計で$200の負けになります。

次に、サレンダーを選択せずに勝負を選択し、1勝3敗となった場合のチップの増減を考えてみてください。4ゲームでベットするのは合計$400、1勝で手元に残るチップは$200、3つの負けではまったくチップが残りませんので、4ゲーム合計では$400-$200=$200の負けになり、サレンダーの場合と同じです

4ゲームの結果 賭け金 手元に戻る金額
サレンダー4回 $100×4=$400 $50×4=$200
1勝3敗 $100×4=$400 $200×1=$200

サイト案内人のアイコン

この結果より、何ゲームもプレイするときにサレンダーを選択した方がよいのは、1勝3敗、つまり勝率2割5分より分の悪い状況のときとなります。

ブラックジャックは一発勝負のゲームではありませんので、半分のチップが戻ってくるサレンダーの選択ラインは、確率5割未満ではないことに注意してください

実は、この2割5分という勝率を下回る形勢不利なケースは、それほど多くありませんサレンダーを選択すべきケースは、次の戦略テーブルで「SU」と記載されている状況のときのみです

    ディーラーのオープンカード
    2 3 4 5 6 7 8 9 T A




合計14 S S S S S H H H SU H
合計15 S S S S S H H H SU H
合計16 S S S S S H H SU SU H
7のカード7のカード SP SP SP SP SP SP H H SU H
8のカード8のカード SP SP SP SP SP SP SP SP SU SP
T:10と数えるカード、H:ヒット、D:ダブルダウン、SP:スプリット、SU:サレンダー

※ 戦略は、ルールの違いにより異なることにご注意ください。表に掲載した範囲では、シングルデッキで行われる場合などで戦略が異なります。

※ 戦略テーブル全体については、ブラックジャック道場の「戦略テーブル」のページを参照してください。

合計14、および、7のカード7のカードの組合せでは、アーリーサレンダーの場合はサレンダーの選択、レイトサレンダーの場合はヒットの選択となります


アーリーサレンダーとレイトサレンダー

サイト案内人のアイコン

サレンダーには、アーリーサレンダー(early surrender)とレイトサレンダー(late surrender)の2種類があります。どちらのサレンダーを採用してい るかは、カジノやテーブルごとに異なります。


アーリーサレンダー

アーリーサレンダーでは、ディーラーがブラックジャックかどうかを確認する前に、サレンダーを宣言することができます

ブラックジャック:アーリーサレンダーの宣言できるタイミング

最初の2枚のカードを配り終えた段階で、プレイヤーの2枚のカードの合計が16、ディーラーのカードが絵札の場面を考えてみます。

このプレイヤーが合計16、ディーラーが絵札というケースは、ディーラーが圧倒的に有利な状況で、プレイヤーがサレンダーすべき典型的なケースです。

サイト案内人のアイコン

アーリーサレンダーの場合はこの場面ですぐにサレンダーを宣言できます。宣言したプレイヤーのゲームは終了となり、その場で半分のチップが返還され、カードは回収されます。

一方、レイトサレンダーの場合は、この段階でサレンダーを宣言することができません。次に、レイトサレンダーではどのようにゲームが進行するかを確認します。


レイトサレンダー

レイトサレンダーでは、アーリーサレンダーとは反対に、ディーラーがブラックジャックを確認した後でしかサレンダーを宣言することができません

アーリーサレンダーと同様に、レイトサレンダーでも、最初の2枚のカードを配り終えた段階で、プレイヤーの2枚のカードの合計が16、ディーラーのカードが絵札の場面を考えてみます。この場面は、ディーラーにブラックジャック発生の可能性があることがポイントになります。

ブラックジャック:レイトサレンダーでは最初の段階で宣言できない

レイトサレンダーでは、ディーラーにブラックジャック発生の可能性があるときは、まず最初に、ディーラーの見えていないカードの確認が行われます。※

※ 伏せられたカードの確認方法については、「ゲームの進行」の「配布カードの確認(レイトサレンダーの場合)」を参照してください。

この確認でディーラーがブラックジャックでなかった場合、つまり伏せられたカードが Aのカード 以外であった場合に、プレイヤーはサレンダーを宣言できます

ディーラーのカードが Aのカード であった場合は、ディーラーのブラックジャックがその場で確定し、プレイヤーは負けとなります。 プレイヤーにはサレンダーを宣言する機会が与えられません。賭けたチップはすべて没収されます。


アーリーサレンダーとレイトサレンダーはとっちが有利

サイト案内人のアイコン

先に示した例からもお解かりいただけたかもしれませんが、アーリーサレンダーのルールの方が、レイトサレンダーのルールよりも、プレイヤーがサレンダーを宣言できる機会が多く、プレイヤーに有利なルールです

初めて訪れたカジノでは、そのカジノがアーリーサレンダーを採用しているか、レイトサレンダーを採用しているかの確認が必要です。しばらくテーブルの周りでプレイを見ていると、どちらのルールを採用しているか、確認することができます。


ディーラーがAの場合はサレンダーできない

サイト案内人のアイコン

ディーラーのカードが Aのカード の場合、プレイヤーはサレンダーを行うことができません。

ブラックジャック:ディーラーがAのときはで宣言できない

ディーラーは、最初のカードを全員に配り終えても、ディーラーのカードが Aのカード であれば、プレイヤーに対してサレンダーを行うかの確認を行いません

あるカジノで、「なぜ Aのカード の場合にサレンダーをすることができないのか?」と質問したプレイヤーに対して、ディーラーが「 Aのカード ではインシュアランスができるので、サレンダーはできない。インシュアランスを利用してください。」と説明しているのを見たことがあります。

この説明、もっともらしいですが、よく考えてみてください。インシュアランスとサレンダーは相互に何ら影響を及ぼすものではなく、ディーラーが Aのカード の場合にインシュアランスとサレンダーの両方を利用できるルールとすることも可能です。

カジノがどのようなルールを採用するかは、ハウスアドバンテージや実際の収益を基に、じゅうぶんに計算、検討されて決められているはずです。 この検討の中で、 Aのカード のサレンダーを認めると、カジノ側の取り分が少なくなり過ぎると判断されているのでしょう。

カジノのルールは、状況の変化によりどんどん変化してゆきます。今後、ディーラーのカードが Aのカード でもサレンダーができるカジノが現れるかもしれません。もしかしたら、現在すでにサレンダーができるカジノがあるのかもしれません。


サレンダーの宣言方法

ブラックジャック:サレンダーの合図

ディーラーは、最初のカードを配り終えたあと、プレイヤーに対して、サレンダーを宣言するかを確認します

プレイヤーは、サレンダーを行う場合、チップを置くボックスの後ろで、テーブルに人差し指で横線を引きますこの合図がサレンダーの意思表示となります

合図とともに「サレンダー」と告げても構いませんが、口頭で「サレンダー」と告げただけではサレンダーの意思表示をしたことにはなりません。必ず横線を引く合図を行ってください。

ディーラーのカードが絵札の場合には、サレンダーを行うプレイヤーが何人もいるときがあります。ディーラーは気づいたプレイヤーより順番にサンダーの対応を行います。ディーラーが他のプレイヤーを先に対応した場合は、忘れられないように他のプレイヤーの対応が終わったら、再度サレンダーの合図をするのがよいでしょう。


参考資料

*1:高橋英之. 2018.『カジノでブラックジャックを楽しむための本』(「第2章」), ASBクリエイティブ株式会社 参考資料2

最終更新日:2023年02月19日

管理者おすすめサイト