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一発勝負ダブルダウン
プレイヤーは、最初にカードが2枚配られたタイミングで、勝つ確率が高いと判断したときに、必ず1回のみヒットすることを条件に、賭け金を増額することができます。
この必ず1回のみヒットすることを条件に賭け金を増額することを「ダブルダウン(double down、doubling down =倍賭け)」といいます。
ダブルダウンは、プレイヤーに有利なルールです。 チップの増減が大きく、その結果はゲームの流れに大きな影響を与えます。ダブルダウンの詳細をご理解いただき、ごのルールを有効にご活用ください。
目次
- 1.
- 賭け金は、後から増額できる
- 2.
- ダブルダウンは、チャンスに攻める重要な手段
- 3.
- ダブルダウンの宣言方法
- 4.
- ダブルダウンを選択するのは、合計11以下のとき
- 5.
- ディーラーのカードを確認してダブルダウンするかを最終判断
- 6.
- 引いたカードは横向きに置かれる
- 7.
- ダブルダウンのチャンスと成功例
- 8.
- チャンスでなくても必要なダブルダウン
- 9.
- 負けても追加チップが戻るケース
- 10.
- カジノごとに異なるルールに注意
- 11.
- 参考資料
賭け金は、後から増額できる
ゲームが始まると、プレーヤーに2枚、デーラーに1枚のオープンカードが配られます。この時点で、このゲームはプレイヤーが勝つ確率が高いのか、ディーラーが勝つ確率が高いのかを判断することができます。
プレイヤーは、自身の勝つ確率が高いと判断したときに、必ず1回のみヒットすることを条件に、賭け金を増額することができます。
ダブルダウンを行ってディーラに勝った場合、プレイヤーは最初の賭け金と追加の賭け金の合計のチップを受け取ることができます。一方、負けてしまった場合、最初の賭け金と追加の賭け金の両方を没収されます。
ダブルダウンは、チャンスに攻める重要な手段
プレイヤーは、勝つ確率が高いと判断したときに、ダブルダウンのルールを利用して、ここぞとばかりに攻めなければいけません。
ダブルダウンで追加できるチップは、そのテーブルで賭けることの最低賭け金(ミニマムベット)から、最初の賭けた金額までの範囲です。
例えば、テーブルの最低賭け金が$100で、最初に$500を賭けていた場合、追加できるチップは$100から$500までの範囲となります。(追加するチップは、最低賭け金の倍数でなければいけません。)
ダブルダウンを選択するときは勝つ確率が高いと判断しているときですので、通常、賭けることのできる最大の金額、つまり賭け金と同額のチップを追加します。賭け金は最初の2倍となります。
ダブルダウンの宣言方法
プレイヤーは、自分がヒットまたはスタンド(ステイ)を判断すべき順番がきたときに、ダブルダウンを宣言します。
ダブルダウンの宣言は、口頭でディーラーに「ダブルダウン」または「ダブル」と告げることにより行います。
さらに、宣言と同時に、追加のチップを差し出します。
追加のチップは、最初に賭けたチップの左横にぴったりと並べて置きます。多少枠からはみ出しても構いません。
最初に賭けたチップの横にぴったり置くと、ディーラーが最初のチップと追加のチップの賭け金が同じであるかを確認しやすくなります。
ダブルダウンを選択するのは、合計11以下のとき
ダブルダウンを選択するケースを考えるとき、ポイントとなるのは「必ず1回のみヒットする」という条件です。
例えば、プレイヤーに配られたカードが、次のように合計20の場合、21との差が1のため、プレイヤーの勝つ確率が高いであろうと推測できます。
しかしながら、ダブルダウンを選択すると、必ず1 回ヒットしなければいけないため、次に
が出ない限り、バーストで負けとなってしまいます。
合計20のハンドでのダブルダウンは、これ以上ない最悪の判断です。 たぶん、合計が20の状況でダブルダウンをしようとしても、ディーラーや周りのプリヤーより思いとどまるよう一生懸命説得されるでしょう。
ダブルダウンは、賭け金を増やしている訳ですから、バーストとなり、ディーラーとの比較勝負となる前に負けてしまう状況は、絶対に避けなければいけません。
したがって、ダブルダウンを選択するときの第1の条件は、プレーヤーに配られた2枚のカードの合計が11以下のときとなります。
なお、プレイヤーに配られた2枚のカードに
が含まれている場合は、
を1としてカウントして、ダブルダウンを行うべきかを判断します。
ディーラーのカードを確認してダブルダウンするかを最終判断
プレーヤーに配られた2枚のカードの合計が11以下ならば、ダブルダウンを行っても絶対にバーストしないことは解りましたが、合計が11以下ならばいつでもダブルダウンうことが得であるとは限りません。
プレーヤーに配られた2枚のカードの合計が11以下のハードハンドで、ダブルダウンを行った方が得であるのは、プレイヤーのハンドの合計が9、10または11で、かつ、ディーラーのオープンカードがプレイヤーのハンドより小さな数字のときに限定されます。
どのような場合にダブルダウンすべきかは、明確に決まっています。勘やツキの流れで決めるものではありません。
次の表は、現在多くのカジノでプレイできるルールの戦略テーブルより、プレイヤーのハンドが合計9、10および11の部分を抜粋したものです。※ このテーブルで「D」に該当する状況のときに、ダブルダウンを宣言します。
ディーラーのオープンカード | |||||||||||
2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | T | A | ||
プ レ イ ヤ | |
合計9 | H | D | D | D | D | H | H | H | H | H |
合計10 | D | D | D | D | D | D | D | D | H | H | |
合計11 | D | D | D | D | D | D | D | D | D | H |
T:10と数えるカード、H:ヒット、D:ダブルダウン |
※ 戦略は、ルールの違いにより異なることにご注意ください。表に掲載した範囲では、シングルデッキで行われる場合などで戦略が異なります。
※ 戦略テーブル全体については、ブラックジャック道場の「戦略テーブル」のページを参照してください。
引いたカードは横向きに置かれる
ダブルダウンで引いたカードは、"もうこれ以上ヒットすることはできませんよ" ということを示すため、横向きに置かれます。
ダブルダウンのチャンスと成功例
プレイヤーの2枚のカードが合計11でダブルダウンを行い、引いたカードが10とカウントするカードのとき、これか最も典型的なうれしい成功例です。
3枚の合計で21となり、ディーラーがブラックジャックでないことから、プレイヤーは勝つか引き分け、負けることはりません。加えて、掛金は2倍に増えています。
次のケースも、思わす笑みがこぼれるような、うれしいダブルダウンの成功例です。
チャンスでなくても必要なダブルダウン
ダブルダウンが必要となるケースは、必ずしもチャンスだけとは限りません。チャンスでないけれども、ダブルダウンを選択しなければいけない場合があります。
チャンスでもないのに賭けるチップを増やしてダブルダウンしなければいけない理由は、ダブルダウンした場合の期待値が、ダブルダウンしなかった場合に比べて大きいからです。
ブラックジャックで負けないためには、確率と期待値に忠実に従って、判断をし続けないといけません。
チャンスではないのにダブルダウンが必要となるケースは、プレイヤーがソフトハンドの場合で、例えば次のようなケースです。
プレイヤーは2枚の合計が5または15、ディーラーが
です。ダブルダウンを選択するようなチャンスには見えませんよね。かといってピンチなのかといわれると、そのようにも思えません。
しかし、確率と期待値に従うと、このケースはダブルダウンを選択するのが最善な判断なのです。
この場合の典型的な成功例は、次のような結果となったときです。
引いたカードが
ですので、合計が21となり、この時点でプレイヤーが負ける可能性はなくなります。
しかし、いつもこのように上手くいくものではありません。次のように
のカードを引いてしまうと、合計は14。もうカードを引くことはできません。
でも、これで勝負が終わったわけではありません。次のようにディーラーが22以上となればプレイヤーの勝利です。
ソフトハンドのダブルダウンでは、プレイヤーが21または21に近い数字となる場合だけでなく、このようにディーラーが22以上となって勝つのも典型的な成功例です。
ソフトハンドでダブルダウンを選択するのは、次の戦略テーブルで「D」と記載されたケースです。※
ディーラーのオープンカード | |||||||||||
2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | T | A | ||
プ レ イ ヤ | |
|
H | H | H | D | D | H | H | H | H | H |
|
H | H | H | D | D | H | H | H | H | H | |
|
H | H | D | D | D | H | H | H | H | H | |
|
H | H | D | D | D | H | H | H | H | H | |
|
H | D | D | D | D | H | H | H | H | H | |
|
S | D | D | D | D | S | S | H | H | H |
T:10と数えるカード、H:ヒット、S:スタンド(ステイ)、D:ダブルダウン |
※ 現在多くのカジノでプレイできるルールの戦略テーブルです。戦略テーブルの一部を抜粋して掲載しています。プレイヤーのカードが2枚の場合の戦略を示しており、3枚以上の場合の戦略は表示を省略しています。
負けても追加チップが戻るケース
ダブルダウンで負けたときは、最初に賭けたチップはもちろん、追加したチップもディーラーに没収されます。しかし、負けても没収されるのは最初に賭けたチップだけで、追加したチップが戻る場合があります。
負けてもチップが戻ってくるケースがあるのは、アーリーサレンダーが採用されているテーブルです。
次の例は、プレイヤーの2枚のカードの合計が11で、ダブルダウンのチャンスです。ディーラーに配られたカードは絵札です。
プレイヤーがダブルダウンを宣言し、期待通りに
のカードを引いたとしましょう。
プレイヤーは21になりますが、ディーラーのカードが絵札のため、勝負はまだ判りません。次のようにディーラーが
を引くとブラックジャックとなり、プレイヤーの負けとなります。
このようにダブルダウンの後でディーラーがブラックジャックとなるのは、ディーラーに最初からカードを2枚配り、プレイヤーがカードを引く前にディーラーのブラックジャックを確認するレイトサレンダーのルールの場合は起こりません。
最初にブラックジャックであることを確認すれば、プレイヤーは追加のチップ分を損する必要はなかったのに…、と考えたカジノ側の温情で しょうか、この場合は追加分のチップが戻ってきます。
最初の賭け金が$25の場合、勝った場合には$100が、負けた場合でも$25が戻ってくることになります。
実際にこの追加のチップが戻ってくる状況が発生したときでも、まれに、ディーラーが他のプレイヤーのチップも合わせて、勢いですべてのチップを回収してしまうことがあります。
ディーラーにブラックジャックが発生する可能性のある状況でダブルダウンが行われる機会が少ないため、ディーラーもうっかり忘れてしまうことがあるのでしょう。
カジノごとに異なるルールに注意
カジノによっては、ダブルダウンできる条件を、プレイヤーに配られた2枚のカードの合計が10または11の場合に限定するなど、制限を設けていることがあります。
ダブルダウンは、1日の勝負を決める可能性があるレベルの重要な攻撃手段です。制限があれば、当然、勝てる可能性が減少します。ダブルダウンできるハンドに制限を設けるようなカジノではプレイしないか、少し遊ぶ程度に留めておくのが懸命です。
参考資料
*1:高橋英之. 2018.『カジノでブラックジャックを楽しむための本』(「第2章」), ASBクリエイティブ株式会社
最終更新日:2023年02月19日