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ワイルドカード(wild card) 

カードゲームにおいて、カードを使用する(所持する)プレイヤーが都合のよいように、他のカードとみなすことのできるカードを、ワイルドカードといいます。

トランプ1デッキとジョーカー

ゲームでは、通常、ジョーカー(Joker)のカードが、ワイルドカードとして使用されます。(ゲーム、ルールの種類によっては、ジョーカー以外のカードがワイルド カードとして用いられることもあります。)

ワイルドカードは、いろいろなゲームで用いられていますが、ポーカーでの使用例がよく知られています

例えば、一般的なランクの高さを競うハイゲームのポーカーにおいて、次のイラストのようなハンドでは、ワイルドカードのジョーカーをJのカードとみなして、Jのカードのスリー オブ ア カインド(スリーカード)が成立しているとみなします。

ポーカーでのワイルドカード使用例:スリー オブ ア カインド

また、次のイラストの例では、ワイルドカードを8のカードとみなし、83のカード7のカード6のカード5のカード4のカードのストレート フラッシュが成立しているとみなします。

※ ワイルドカードを3のカードとみなしてもストレート フラッシュが成立しますが、8のカードとみなした方が、ハンドのランクは高く(強く)なります。

ポーカーでのワイルドカード使用例:ストレート フラッシュ

この例でわかるとおり、ワイルドカードは、カードの数字だけでなく、スーツ(マーク)も、カード所持者が都合のよいように指定することができます。

次のイラストのハンドAとハンドBは、同じランクの高さ(強さ)のハンドとなります。(後述のローカルルールを除く)

ポーカーでのワイルドカード使用により同じランクとなった例

このようなワイルドカードを含むハンドとワイルドカードを含まないハンドを区別して示す必要があるときに、ワイルド カードを含まないハンドを「ナチュラル(natural)」または「ナチュラルハンド(natural hand)」ということがあります。


ワイルドカードを使用しなければ成立しないポーカーの役

1デッキでプレイするポーカーにおいて、ポーカーの役「ファイブ オブ ア カインド(ファイブカード)」は、ワイルドカードがなければ成立しません。

ポーカーでのワイルドカード使用によりファイブ オブ ア カインドとなった例

ファイブ オブ ア カインドは、ストレート フラッシュよりもランクの高い(強い)、最高(最強)の役です。*2


限定的なワイルドカード「バグ」の例

ワイルドカードはカード所持者が都合のよいカードとしてどんなカードでも指定することもできますが、指定できる範囲を一部制限するゲームもあります。このような指定できるカードの範囲を限定したワイルドカード(limited wild card)を「バグ(bug)」といいます。

※ 限定的なワイルドカード(limited wild card)に対して、指定するカードが限定されていないワイルドカードを「フーリィ ワイルド(fully wild)」といいます。


ポーカーにおける成立する役の限定例

最も一般的なバグの例は、ストレート、フラッシュまたはストレート フラッシュが成立する場合にのみ、ワイルドカードを都合のよいカードとみなすことができるというものです。

このようなルールでは、ストレート、フラッシュまたはストレート フラッシュが成立しないときに、ワイルドカードをエースのカードとみなします

例えば、次のようなイラストの例では、ワイルドカードを6のカードとみなし、ストレートを成立させることができます。

ポーカーでの限定ワイルドカード使用によりストレートとなった例

しかしながら、次のようなイラストの例では、ワイルドカードはAのカードとみなされ、フル ハウスではなく、ツーペアになります。

ポーカーでの限定ワイルドカード使用によりフルハウスとならなかった例

若干奇妙なのは、次のハンドです。ワイルドカードがAのカードとなるため、結果的にフルハウスが成立します。

ポーカーでの限定ワイルドカード使用によりフルハウスとなる例

このルールでは、ファイブ イブ ア カインド(ファイブカード)が成立するのは、Aのカードの場合のみとなります。Aのカード以外の場合は、フォー オブ ア カインドとキッカーAのカードとなります。

ポーカーでのワイルドカード使用によりファイブ オブ ア カインドとなった例


スーツ(マーク)の色の限定例

赤いジョーカーと黒いジョーカー

赤色ジョーカー、黒色ジョーカーの2種類のジョーカーを用いるゲームにおいて、赤色ジョーカーは赤色スーツ(マーク)♦♥の任意の数字に、黒色ジョーカーは黒色スーツ(マーク)♠♣の任意の数字に、限定されるルールがあります。


例えば、赤色ジョーカーは、またはの任意の数字のカードとみなすことができ、次のイラストの例ではフラッシュが成立します。

ポーカーで赤色ジョーカー使用によりフラッシュとなる例

しかしながら、次のイラストの例では、ワイルドカードをのカードとみなすことができず、フラッシュは成立しません。

ポーカーで赤色ジョーカー使用によりフラッシュとならない例


ワイルドカードに関連したポーカーのローカルルールの例

家庭でのトランプ遊び

ここでご紹介するローカルルールは、カジノでは一般的に採用されていないルールで、主に家庭で遊ぶゲームなどで採用されているルールです。


ナチュラル ウイン ルール

ナチュラル ウイン ルール(natural wins rule)、通常ならば同じ高さ(強さ)と扱われるワイルドカードを含むハンドと含まないハンドの比較において、ワイルドカードを含まないハンドを高い(強い)ハンドとするルールです。

ナチュラル ウイン ルールで勝敗がついた例


ダブルエース フラッシュ ルール

ダブルエース フラッシュ ルール(double-ace flush rule)フラッシュのハンドでワイルドカードを使用するときに、そのワイルドカードを常にAのカードとみなすルールです。*3

このルールでは、ワイルドカード以外の4枚のカードにAのカードが含まれている場合、同じスーツ(マーク)・数字、次のイラストでは♣Aのカードのカードが2枚含まれることになります。

フラッシュでエースが2枚となる例

この実際のAのカードとワイルドカードで2枚のAのカードを含むフラッシュのハンドは、すべてのフラッシュのハンド中で最もランクの高い(強い)ハンドとなります。

最高(最強)のフラッシュの例

なお、この常にAのカードとみなすルールには例外があり、他のカードとみなしたときにストレート フラッシュとなるときは、Aのカードではなく、ストレート フラッシュが成立するカードとみなします。

最高(最強)のフラッシュの例

そのような例外ルールがないと、実際にこのようなハンドを持ったプレイヤーはたまらないですよね。


参考資料

*1:wild card (Sep. 30, 2023, 18:24 UTC). In Wikipedia: The Free Encyclopedia. Retrieved from https://en.wikipedia.org/wiki/Wild_card_(cards) 参考資料

*2:List of poker hands (Feb. 18, 2023, 16:13 UTC). In Wikipedia: The Free Encyclopedia. Retrieved from https://en.wikipedia.org/wiki/List_of_poker_hands 参考資料

*3:Non-standard poker hand (Aug. 8, 2023, 02:11 UTC). In Wikipedia: The Free Encyclopedia. Retrieved from https://en.wikipedia.org/wiki/Non-standard_poker_hand 参考資料

最終更新日:2023年11月09日

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