チップ（chip） 

カジノでは、テーブルゲームを中心に、チップを現金の代わりとしてを用います。チップは、使用しているカジノ内でのみ有効であり、カジノの外へ持ち出した場合は基本的に価値がなくなります。

カジノでチップを現金の代わりに利用する主な理由は、(1)均一なサイズ・形状により集計が用意であること、(2)カジノ外で価値がなくなることから現金よりも不当に持ち逃げをされにくいことにあります。*2

テーブルゲームで用いられるチップの材質は、金属、プラスチック、粘土と多様です。これは、金属で統一されているスロットマシンのコインとは対照的です。 なお、スロットマシンのコインは、紙やプリペイドカードへの置き換えが進んでいます。

チップには、バカラやブラックジャックなどのゲームで用いられる金額の記載されたチップと、ルーレットやシック・ボーなどで用いられる色で金額が記載されていない色で識別するチップがあります。

英語では、カジノで用いるチップを、「gaming chip」や「casino token」といいます。英語版のWikipediaでは、「Gaming chip」は「Casino Token」へ転送されています。*2

チップの材質は、クレイ（粘土）のものが多く、セラミックや、プラスチック樹脂のものもあります。

なお、テーブルゲームなどで、お世話になったディーラーに心づけの意味で渡すチップは、単語が異なり、綴りは「tip」です。*3

金額の記載されているチップ

イラストは、金額が記載されたチップのイメージです。

金額とチップの色は、明確には標準化されていませんが、地域によっては統一が図られています。*2

チップを用いるテーブルゲームでは、通常、複数のプレイヤーが同時にゲームに参加します。 金額の記載されたチップを用いるゲームでは、どのプレイヤーも同じチップを使用します。そのため、誰が賭けたチップであるかが判らなくならないように、プレイヤーごとにテーブル上の賭ける場所が異なります。

次のイラストは、ミニバカラのテーブルレイアウトです。このテーブルでは、最大7名のプレイヤーが同時にゲームを行うことができますが、7名それぞれのチップを置く位置がテーブル上に記されています。

テーブルゲームで勝ったときの払戻倍率は、多くの場合、整数です。しかし、ブラックジャックでは、ブラックジャックとなったときの払戻は通常「3 to 2」です。そのため、$2.5チップという小数点の金額のチップを準備しているカジノがあります。

コミッションの設定されているバカラのテーブルでは、5%のコミッション支払を容易にするために、$20のチップを利用する傾向があります。

色で識別するチップ

イラストは、色で識別するチップのイメージです。

ルーレットやシック・ボーでは、テーブル上の賭ける位置をプレイヤーごとに別々に設定することができません。 そのため、テーブル上に置かれたチップが、どのプレイヤーが賭けたチップであるかを識別するために、チップの色を利用します。

プレイヤーの賭けたチップを色で識別すると、1つのテーブルに参加できるプレイヤーの数は、準備されているチップの色数までに限定されてしまいます。 ゲームに参加を希望する人が色数を超えると、カジノはお客様獲得の機会損失になってしまいます。

このような機会損失を防ぐためであるかは判りませんが、あるカジノが公開しているシック・ボーのゲーミングガイドには、プレイヤーの同意を得て複数のプレイヤーに同じ色のチップを割り当てる可能性があることが記載されています。*4

このイラストは、シック・ボーで賭けか行われているイメージです。

同じゲームのテーブルが複数設置されているカジノでは、テーブル間のミニマムベットの違いから、同じゲームの同じ色のチップであっても価値がことなる場合があります。

先に紹介した複数のプレイヤーに同じ色のチップを割り当てる可能性があることを記載したカジノのゲーミングガイドには、テーブル間でチップが混ざっても識別できるように、チップに印が付けられていることが記載されています。また、すでにクローズしたテーブルのチップを所持し、換金しようとしたときに、チップの価値が判らなくなっていしまった場合は、カジノのテーブルの中で最も低い価値のテーブルに合わせて換金することも記載されています。*4

参考資料

最終更新日：2023年02月10日