アンティ（ante） 

アンティは、ゲームへの"参加料"として、プレイヤーが行わなければならない強制的な賭けです。

アンティは、ゲームにでも設定されているわけではありません。ブラインドの設定のないドロー ポーカーやスタッド ポーカーでは一般的に設定されていますが、ブラインドの設定のあるポーカーでは一般的ではありません。

しかしながら、テキサス ホールデムのようなブラインドが設定されているゲームであっても、大会進行上の理由でプレイヤー数を絞りたいトーナメントの後半や、テレビ放映されるような高額のキャッシュ ゲーム、プレイヤーが賭け金をどんどん大きくすることができないディーラー対戦型のゲームなどでは、アンティが設定されています。

アンティが設定されているゲームでは、ゲームが開始され、カードが配られる前に、すべてのプレイヤーが同額をポットに入れることが求められます。

一般的に、アンティの金額は、ゲームでベット／レイズする金額と比較すると、それほど大きな金額ではありません。

アンティ設定により期待される効果

好手がくるまでフォールドで粘る戦略が使いにくくなる

何ゲームも繰り返し戦ったときにチップを増やす方法としてまず頭に浮かぶ作戦は、好手ではないハンドは主部を避けてフォールドし、辛抱強く好手を待ち、好手が来た時に一気呵成に攻める戦略です。

この作戦は、高い確率で勝つことができるハンドでのみ勝負するので、当然、トータルで勝つ確率が高くなります。

これに対して、アンティが設定されると、フォールドするたびにアンティが没収されるため、好手に恵まれた少ないチャンスのみで勝利しても、トータルでの損得は微妙になります。

しがたって、必然的にフォールドする割合を下げざるを得ず、好手まで辛抱強く待つ戦略は取りにくくなります。

エキサイティングなゲームが増える

アンティが設定されると、いくつかの理由により、勝負するプレイヤーが増えることになります。

まず、アンティのチップがポットに入ることにより、ポット サイズが大きくなります。 大きなポットは、当然、プレイヤーが勝負する動機付けになります。

ゲームごとに支払アンティによって、フォールドを繰り返したプレイヤーのスタックは、ジリ貧となります。このことは、勝負に出なければいけいないというプレッシャーを、プレイヤーに与えます。

これらのことが複合的に働き、結果としてエキサイティングなゲームが増える効果を生みます。

トーナメントの進行を速める

トーナメントは、日程が決まっています。想定よりも多くのプレイヤーが粘りをみせて残っていると、大会の進行が遅れてしまいます。

先に説明したとおり、アンティの導入により勝負するプレイヤーが増えることとなり、結果としてスタックを使い果たすプレイヤーが多くなります。

そのため、アンティを導入しないケースと比べて、大会がよりスムーズに進行します。

アンティ徴収作業の効率化手法

となると、ゲーム開始のたびに、全プレイヤーよりアンティのチップを集める必要が出てきます。テーブルに参加するプレイヤーが多いときは、時間もかかり、集めるのはたいへんです。

そのため、考案されたのが、プレイヤーのうちの１人が、代表して全員のアンティを一括して支払う方法です。一括して支払うことで、チップを集めてポットに入れる作業を効率化することができます。

しかし、当然、同じプレイヤーばかりが払い続けると、不公平です。

そこで、代表の１名が支払う方式を採用するとき†は、ディーラー ボタンの位置のプレイヤー‡がアンティを支払うことで、公平にアンティを負担します。

正確にいうと、このディーラー ボタンの位置のプレイヤーが代表して支払う方式でも、プレイヤーが一時退席したときは、不公平が生じます。

この不公平を解消させるため、一時退席したプレイヤーを示す特別なボタン「ポスティング ボタン（posting button）」を配り、プレイヤーが戻ったときにアンティを負担してもらう手法が取られるケースがあります。

また、一時退席の不公平を生じさせないように、一次退席したプレイヤーにもハンドを配り、代理のカジノ スタッフや代理プレイヤーがアンティを立て替える手法を取るケースもあります。このケースでは、ハンドは代理者がフォールドします。

参考資料

最終更新日：2024年08月02日