ワイルドカード(wild card)
カードゲームにおいて、カードを使用する(所持する)プレイヤーが都合のよいように、他のカードとみなすことのできるカードを、ワイルドカードといいます。
ゲームでは、通常、ジョーカー(Joker)のカードが、ワイルドカードとして使用されます。(ゲーム、ルールの種類によっては、ジョーカー以外のカードがワイルド カードとして用いられることもあります。)
ワイルドカードは、いろいろなゲームで用いられていますが、ポーカーでの使用例がよく知られています。
例えば、一般的なランクの高さを競うハイゲームのポーカーにおいて、次のイラストのようなハンドでは、ワイルドカードのジョーカーをとみなして、
のスリー オブ ア カインド(スリーカード)が成立しているとみなします。
また、次のイラストの例では、ワイルドカードを◆とみなし、
のストレート フラッシュが成立しているとみなします。
※ ワイルドカードを◆とみなしてもストレート フラッシュが成立しますが、◆
とみなした方が、ハンドのランクは高く(強く)なります。
この例でわかるとおり、ワイルドカードは、カードの数字だけでなく、スーツ(マーク)も、カード所持者が都合のよいように指定することができます。
次のイラストのハンドAとハンドBは、同じランクの高さ(強さ)のハンドとなります。(後述のローカルルールを除く)
このようなワイルドカードを含むハンドとワイルドカードを含まないハンドを区別して示す必要があるときに、ワイルド カードを含まないハンドを「ナチュラル(natural)」または「ナチュラルハンド(natural hand)」ということがあります。
ワイルドカードを使用しなければ成立しないポーカーの役
1デッキでプレイするポーカーにおいて、ポーカーの役「ファイブ オブ ア カインド(ファイブカード)」は、ワイルドカードがなければ成立しません。
ファイブ オブ ア カインドは、ストレート フラッシュよりもランクの高い(強い)、最高(最強)の役です。*2
限定的なワイルドカード「バグ」の例
ワイルドカードはカード所持者が都合のよいカードとしてどんなカードでも指定することもできますが、指定できる範囲を一部制限するゲームもあります。このような指定できるカードの範囲を限定したワイルドカード(limited wild card)を「バグ(bug)」といいます。
※ 限定的なワイルドカード(limited wild card)に対して、指定するカードが限定されていないワイルドカードを「フーリィ ワイルド(fully wild)」といいます。
ポーカーにおける成立する役の限定例
最も一般的なバグの例は、ストレート、フラッシュまたはストレート フラッシュが成立する場合にのみ、ワイルドカードを都合のよいカードとみなすことができるというものです。
このようなルールでは、ストレート、フラッシュまたはストレート フラッシュが成立しないときに、ワイルドカードをエースのカードとみなします。
例えば、次のようなイラストの例では、ワイルドカードをとみなし、ストレートを成立させることができます。
しかしながら、次のようなイラストの例では、ワイルドカードはとみなされ、フル ハウスではなく、ツーペアになります。
若干奇妙なのは、次のハンドです。ワイルドカードがとなるため、結果的にフルハウスが成立します。
このルールでは、ファイブ イブ ア カインド(ファイブカード)が成立するのは、の場合のみとなります。
以外の場合は、フォー オブ ア カインドとキッカー
となります。
スーツ(マーク)の色の限定例
赤色ジョーカー、黒色ジョーカーの2種類のジョーカーを用いるゲームにおいて、赤色ジョーカーは赤色スーツ(マーク)♦♥の任意の数字に、黒色ジョーカーは黒色スーツ(マーク)♠♣の任意の数字に、限定されるルールがあります。
例えば、赤色ジョーカーは、♦または♥の任意の数字のカードとみなすことができ、次のイラストの例ではフラッシュが成立します。
しかしながら、次のイラストの例では、ワイルドカードを♦のカードとみなすことができず、フラッシュは成立しません。
ワイルドカードに関連したポーカーのローカルルールの例

ここでご紹介するローカルルールは、カジノでは一般的に採用されていないルールで、主に家庭で遊ぶゲームなどで採用されているルールです。
ナチュラル ウイン ルール
ナチュラル ウイン ルール(natural wins rule)は、通常ならば同じ高さ(強さ)と扱われるワイルドカードを含むハンドと含まないハンドの比較において、ワイルドカードを含まないハンドを高い(強い)ハンドとするルールです。
ダブルエース フラッシュ ルール
ダブルエース フラッシュ ルール(double-ace flush rule)は、フラッシュのハンドでワイルドカードを使用するときに、そのワイルドカードを常にとみなすルールです。*3
このルールでは、ワイルドカード以外の4枚のカードにが含まれている場合、同じスーツ(マーク)・数字、次のイラストでは♣
のカードが2枚含まれることになります。
この実際のとワイルドカードで2枚の
を含むフラッシュのハンドは、すべてのフラッシュのハンド中で最もランクの高い(強い)ハンドとなります。
なお、この常にとみなすルールには例外があり、他のカードとみなしたときにストレート フラッシュとなるときは、
ではなく、ストレート フラッシュが成立するカードとみなします。
そのような例外ルールがないと、実際にこのようなハンドを持ったプレイヤーはたまらないですよね。
参考資料
*1:wild card (Sep. 30, 2023, 18:24 UTC). In Wikipedia: The Free Encyclopedia. Retrieved from https://en.wikipedia.org/wiki/Wild_card_(cards)
*2:List of poker hands (Feb. 18, 2023, 16:13 UTC). In Wikipedia: The Free Encyclopedia. Retrieved from https://en.wikipedia.org/wiki/List_of_poker_hands
*3:Non-standard poker hand (Aug. 8, 2023, 02:11 UTC). In Wikipedia: The Free Encyclopedia. Retrieved from https://en.wikipedia.org/wiki/Non-standard_poker_hand
最終更新日:2023年11月09日