マーチンゲール法(martingale strategy)
プレイヤーが連続するゲームで何枚ずつのチップを賭けるかを考えた「ベッティングマネージメント(bettiong strategy)」または「ベッッティング戦略(bettiong strategy)」と呼ばれる作戦の1つで、次の3つのルールから成る作戦
- 負けたときは、前のベットの2倍※の金額をベットする。
- 勝ったときは、最初に賭けたベットに戻す。
- 最後は必ず勝ってゲームを終了する。
※ 勝ったときの払戻倍率が2倍のゲームを想定しています。
- 対義語
- 逆マーチンゲール法、反マーチンゲール法、パーレー法
マーチンゲール法の概要の確認
必ず勝った回数分の利益が発生
マーチゲール法では、3つのルールを守ると、必ず勝った回数分の利益がでます。
ここでは、マーチゲール法の特徴を理解するために、ルールに従ってベットを行うとどのような結果になるかを、ゲームを4回行う単純なケースを例に確認します。
1. 4勝0敗 ○○○○のケース
まずは、4回のゲームで4連勝するケースを確認します。
ルールに従うと、勝ったときは最初の賭け金を賭けることになりますので、このケースでは毎回、最初に賭けた$100を賭けることになります。
このケースでは、4勝しています。儲けは、最初の賭け金の4倍となる$400でした。
3. 2勝2敗 ●○●○のケース
次に、2勝2敗、負け(●)と勝ち(○)が交互に発生したケースについて確認してみます。このケースでは、次のような結果となります。
このケースでは、2勝しています。儲けは、最初の賭け金の2倍となる$200でした。
3. 2勝2敗 ●●○○のケース
3つめのケースは、2つめのケースと同じ2勝2敗ですが、負け(●)と勝ち(○)が連続して発生したケースです。
このケースでは、2勝しています。儲けは、最初の賭け金の2倍となる$200でした。
4. 1勝3敗 ●●●○のケース
4つめのケースは、3連敗のあとで1つ勝った1勝3敗のケースです。
このケースでは、1勝しています。儲けは、最初の賭け金の1倍となる$100でした。
マーチンゲール法のセールスポイント
マーチンゲール法のセールスポイントは、ルールに従うならば、必ず利益がでるというところです。
マーチンゲール法は、連敗したときに積極的にアクションを取るという特徴から、連敗戦略と呼ぶことができます。損をしている状況でさらにチップを上積みするところは、株式投資やFX取引(外国為替証拠金取引)の逆張りと似ています。
このマーチンゲール法は、非常に古い戦略で歴史があります。長い年月の間にたくさんの人により研究され、派生したいくつものバリエーションがありますが、負けたときにチップを増やすというところが共通の特徴です。
マーチンゲール法の落とし穴
『マーチンゲール法は必ず儲かる。なんとすばらしい戦略だ!!』と思われたかもしれませんが、考えてみてください。そんなうまい話がある訳がありません。
古くから知られている戦略が常勝戦略ならば、世の中のギャンブラーはみんな大金持ちですし、カジノは経営が成り立ちません。
実際にマーチンゲール法を試してみると、この作戦がうまく機能しない理由がすぐに明確になります。しかしながら、実際に試してみることはお勧めできません。なぜなら、うまくいかないことを体験するということは、大損をしてしまうことだからです。
マーチンゲール法がうまく機能しない理由は、次のとおりです。
● 連敗したときに、賭け金が準備できなくなる
マーチンゲール法のがうまく機能しない1つめの理由は、プレイヤーの賭けることのできる金額の限界(予算の限界)にあります。
次のいイラストは、先ほどマーチンゲール法で4連敗したときの状況を表したものです。5戦目は、$1,600を賭けなければいけません。
$1,600を日本円に換算してみましょう。通貨が米ドル(USD)でレートを1USD =130円と仮定すると$1,600は208,000円。たった4連敗でこの状況です。
さらに、10連敗すると11戦目は最初のベットの2,048倍、最初のベットが$100だとすると2,600万円以上を賭けなければいけません。破綻するのは簡単に想像できますよね。
● 連敗したときに、賭ける金額がマキシマムベットを超えてしまう
1つめの財布の限界(予算の限界)は、プレイヤーが石油王のような大金持ちでならば、問題ありません。しかし、マーチンゲール法が機能しない2つめの理由は、お金持ちでもクリアすることができません。
それは、ゲームごとに設定される最大の賭け金の存在です。
例えば、カジノではテーブルごとに賭けることのできる最大金額が設定されています。その金額をマキシマムベットといいます。
マーチンゲール法のルールに従ってバカラやブラックジャック、ルーレットなどをプレイし、10連敗もすると、あっさりマキシマムベットに達してしまいます。
賭金を2倍、2倍…とアップできなくなると、その時点の負けを作戦どおりに取り戻すことができなくなり、プレイヤーの大敗が確定してしまいます。
参考資料
*1:高橋英之. 2018.『カジノでブラックジャックを楽しむための本』, ASBクリエイティブ株式会社
最終更新日:2023年03月18日