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ルールの違いが戦略に与える影響

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このページでは、「ゲーム情報 >ポンツーン」のページで確認したポンツーンとブラックジャックのルールの違いが、戦略にどのような影響を及ぼすかについて確認します。

戦略テーブルの暗記

ルールの違いが戦略にどのような影響を及ぼすかについて理解することにより、戦略テーブルを機械的な暗記ではなく、論理的に覚えることができるようになります

論理的に記憶した戦略テーブルは、いったん覚えてしまえば忘れにくく、たとえ忘れても容易に思い出すことができます

それではさっそく、ルールの違いが戦略に及ぼす影響について、順番に確認しましょう。


カードの中に10のカードのカードがない影響

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10のカードのカードないということは、10とカウントするカードが25%少ないことになります。この影響は小さくありません

10のカードなし

見えないカードを「10」と数える大原則は…

ブラックジャックの戦略を考えるとき、見えないカードを10と数えることが大原則となっています。ブラックジャックのすべての戦略がこの大原則の上に成り立っているといっても過言ではありません。

例えば、次のような状況では、ディーラーの数字の見えていないカードを10と考えて、ディーラーのハンドは18と推定します。

ディーラーハンド推定18

ディーラーのハンドが18とすると、プレイヤーはスタンド(ステイ)を選択すると15対18で負けてしまいます。そのため、プレイヤーは、バーストする可能性が高く苦しい状況ですが、選択すべき戦略はヒットとなります。

一方、次のようなケースでは、ディーラーのハンドは16と推定します。

ディーラーハンド推定16

ディーラーのハンドを16 と推定すると、プレイヤーの戦略はスタンド(ステイ)となり、ディーラーがバーストしてくれることを祈ることになります。

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ところで、この見えないカードを10 と推定する大原則は、ポンツーンでも成り立つのでしょうか? 成り立たなければ、ポンツーンの戦略を考えるときに、ブラックジャックの戦略を基に考えるということができなくなってしまいます。ブラックジャックの知識、ノウハウは活かすことができず、まったくの1からポンツーンの戦略を理解しなければなりません。

安心してください。結論から言うと、崩れてはいません。なぜ継続できるかは、いろいろな要因が複雑に関係しているため、単純にかつ論理的に説明することはできません。しかし、分析の結果から、この大原則が成り立っていることが帰納法的に判っています。

ブラックジャック愛好家のみなさんは、これまでの経験や知識を活かすことができますので、安心してポンツーンのゲーム特性と攻略方法の理解を進めていただいて大丈夫です。


プレイヤーがバーストする可能性が減少

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10のカードのカードがない」と聞いて真っ先に思い浮かぶことは、"バーストしにくい" ということではないでしょうか。

例えば、ブラックジャックでは次のような状況のとき、プレイヤーは戦略としてヒットを選択しなければなりません。

ヒットを選択すべき状況

この状況でプレイヤーは、当然、『(最悪の結果をもたらす)絵札だけは来ないでくれ~』と願います。

引いたカードが絵札である確率は、ブラックジャックならば 4 / 13 =約31%。これがポンツーンでは 3 / 12= 25%で、約6%低くなります。これはプレイヤーにとってありがたいですよね。

しかし、戦略の視点から考えてみると、この状況では10のカードのカードがないことは、戦略に何ら影響を及ぼしていません。もう少し詳しく考えてみましょう。

次の表は、ブラックジャックの戦略テーブルです。先のイラストに示した状況は、背景をグレーで示した部分に該当します。

表:ブラックジャックの戦略テーブル(合計12から合計16の範囲)
    ディーラーのオープンカード
    2 3 4 5 6 7 8 9 T A




合計12 H H S S S H H H H H
合計13 S S S S S H H H H H
合計14 S S S S S H H H SU H
合計15 S S S S S H H H SU H
合計16 S S S S S H H SU SU H
T:10と数えるカード、H:ヒット、S:スタンド(ステイ)、SU:サレンダー

このグレー部分のブラックジャックの戦略は、ヒットしです。10のカードのカードのないポンツーンにおいても、「見えないカードを10と数える」大原則が成り立つ以上、ヒットしなけらばならない状況は同じです

つまり、10のカードのカードがないルールの違いは、このグレーの領域の戦略に影響を及ぼしていないのです。


バーストする確率が減ることによる戦略への影響

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実は、10のカードのカードがない影響を及ぼす可能性があるのは、ブラックジャックでヒットを選択すべきときではなく、スタンド(ステイ)およびサレンダーを選択すべき状況のときなのです。

戦略テーブルでは、次の表で薄赤色で示す範囲です。

表:ブラックジャックの戦略テーブル(合計12から合計16の範囲)
    ディーラーのオープンカード
    2 3 4 5 6 7 8 9 T A




合計12 H H S S S H H H H H
合計13 S S S S S H H H H H
合計14 S S S S S H H H SU H
合計15 S S S S S H H H SU H
合計16 S S S S S H H SU SU H
T:10と数えるカード、H:ヒット、S:スタンド(ステイ)、SU:サレンダー

例えば、次のイラストの状況を考えてみてください。

ヒットを選択すべきかもしれない状況1

ブラックジャックでは、プレイヤーが合計12でディーラーのオープンハンドが2のカードまたは3のカードのときに選択すべき選択はヒットです。ならば、バーストの確率が低いポンツーンでは、『ディーラーが4のカードのときもヒットでいいのでは?』という疑問が生まれますよね。

次のイラストの状況も、先のイラストとの状況に似ています。

ヒットを選択すべきかもしれない状況2

『ブラックジャックよりもバーストする確率が低いということは、ヒットの選択肢もあるのではないか?』って考えてしまいますよね。

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実は、ポンツーン戦略は両方のケースともヒットなんです。少し驚きましたか? ブラックジャック愛好家のみなさん。ブラックジャックとポンツーンの戦略テーブルは違うんです。

となると、ポンツーンの戦略テーブルを早く見たいという気持ちに駆られるかもしれませんが、ルールの違いによる戦略への影響は、10のカードのカードがないルール以外の違いの影響も受けているため、ここでは示していません。

気になってしかたがないという方は、ちょっとだけ先を急いで「ポンツーンの戦略テーブル」のページを確認して、またここに戻ってきてください。


ディーラーがバーストする可能性も減少

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10のカードのカードがないことによってバーストする確率が減少するのは、プレイヤーだけでなく、ディーラーも同じです。

ブラックジャックでは、次のイラストの状況は、ブラックジャックやサレンダーで勝敗が決したプレイヤーを除き、全プレイヤーがディーラーのバーストを望んでいます。『Picture!!』と叫ぶプレイヤーもいるかもしれません。

絵札を期待する状況1

そんなプレイヤー達の望みが叶う確率は、ブラックジャックよりもポンツーンの方が低くなります。つまり、10のカードのカードがないことによって、ディーラーのバースト待ちのハンドの期待値は、ブラックジャックよりも低くなるということができます。


ハードハンドのダブルダウン成功率も低くなる

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プレイ中に絵札のカードを求めるシーンは、ディーラーのバーストを願う場面だけでなく、プレイヤーがカードを引く状況でも発生します

次のイラストは、ブラックジャックでは戦略としてダブルダウンを選択する局面です。

絵札を期待する状況2

この局面、ディーラーのオープンハンドが絵札で、ディーラーもなかなかの好ハンドです。プラックジャックではダブルダウンの選択が正解でした が、「10」とカウントするカード少ないポンツーンでもダブルダウン/ダブルが正解でしょうか? 疑問が残りますよね。

10のカードのカードがないポンツーンでは、次の表でピンク色で示したダブルダウンを選択する領域について、戦略を評価、確認する必要があります

表:ブラックジャックの戦略テーブル(合計9から合計11の範囲)
    ディーラーのオープンカード
    2 3 4 5 6 7 8 9 T A




合計9 H D D D D H H H H H
合計10 D D D D D D D D H H
合計11 D D D D D D D D D H
T:10と数えるカード、H:ヒット、S:スタンド(ステイ)、D:ダブルダウン


ポンツーンの発生確率の違いは

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10のカードのカードがないことにより、ポンツーンの発生確率がブラックジャックの発生確率よりも低くなることは、容易に推測がつきます

では、どのくらい発生確率が下がるのでしょうか?

ブラックジャックの発生確率は、プレイヤーに配られた2枚のカードの組合せ全 13 ×1 3 = 169 通りの中の8通り、つまり 4.73% です。

プレイヤー

一方、ポンツーンの発生確率は、プレイヤーに配られた2枚のカードの組合せ全 12 × 12 = 144 通りの中の 6 通りで 4.17%ブラックジャック発生確率との差は、0.6%弱。大きくありません。

ポンツーン発生確率は、ポジティブに” ブラックジャックとほぼ同じ”と考えるとのがよいでしょう。そう思えば、より楽しくプレイできます。


インシュアランスのハウスアドバンテージは、かなり高い

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ハウスアドバンデージ・控除率一覧」では、ブラックジャックのインシュアランスハウスアドバンテージが 7.39%であることをご紹介しています。

この値は、Macau Sands が配布したパンフレットを基にした情報です。*3

インシュアランスのハウスアドバンテージは、ゲームで使用するデッキ数で変化します。次の表は、デッキ数とインシュアランスのハウスアドバンデージの関係をまとめたものです。

表:ブラックジャック 使用デッキ数とインシュアランスのハウスアドバンテージ
使用デッキ数 インシュアランス成立カード 残りカード† インシュアランス確率‡ ハウスAdv.
シングルデッキ 16枚 51枚 31.37% 5.88%
2デッキ 32枚 103枚 31.06% 6.79%
4デッキ 64枚 207枚 30.91% 7.24%
6デッキ 96枚 311枚 30.86% 7.39%
8デッキ 128枚 415枚 30.84% 7.46%
∞デッキ 4枚 13枚 30.76% 7.69%
ハウスAdv.:ハウスアドバンテージ
†:ディーラーのオープンカードAのカード 1枚以外を残りカードとしています。
‡:小数点以下第3位以下を切り捨てています。

この表より、Macau Sandsのパンフレットに掲載されている値は、6デッキを使用したときの値であることが判ります。

同様に、ポンツーンのハウスアドバンテージを計算したものが次の表です。6デッキを使用したときのポンツーンのハウスアドバンテージは、なんと24.73%にもなります

表:ポンツーン 使用デッキ数とインシュアランスのハウスアドバンテージ
使用デッキ数 インシュアランス成立カード 残りカード† インシュアランス確率‡ ハウスAdv.
シングルデッキ 12枚 47枚 25.53% 23.40%
2デッキ 24枚 95枚 25.26% 24.21%
4デッキ 48枚 191枚 25.13% 24.60%
6デッキ 72枚 287枚 25.08% 24.73%
8デッキ 96枚 383枚 25.06% 24.80%
∞デッキ 3枚 12枚 25.00% 25.00%
ハウスAdv.:ハウスアドバンテージ
†:ディーラーのオープンカードAのカード 1枚以外を残りカードとしています。
‡:小数点以下第3位以下を切り捨てています。

ハウスアドバンテージは、20%を超えています。ハウスアドバンテージより単純に考えると、ポンツーンではインシュアランスに賭ける妙味はないようです。


合計21で勝ちが確定するルールの影響

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合計21で勝ちが確定するルールは、広い範囲に影響を及ぼします。ここでは、戦略として考慮すべき範囲はどこかを見極めます。



合計21を狙ってヒットする可能性を考慮すべきケース

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『プレイヤーのハンドが合計21となったときにプレイヤーの勝ちが確定する』というルールがもたらすブラックジャックとの大きな違いは、合計21対21が、引分けから、プレイヤーの勝ちに変わることです。

引分けから勝ちに代わると、当然、その分プレイヤーの勝つ確率と期待値がアップします

例えば、次のようなハンドを考えてみてください。

合計21で勝ちが確定するケースの考察

このハンドでヒットを行うとき、3枚目の「?」のカードには12種類のカードが現れる可能性があります。この12種類のうち、12分の1、約8.3%の確率で9のカードが現れ、勝率が100%となります。

つまり、9のカードを引く約8.3% ケースにおいて、ブラックジャックのときよりも勝率、期待値がアップしているということができます。

このことより、ブラックジャックではヒットとスタンド(ステイ)の期待値が拮抗していたハンドでは、積極的にヒットを選択した方がよいのではないかとの仮説が成り立ちます

合計21を狙ってヒットする可能性を考慮すべきケースは、次に示すブラックジャックで戦略テーブルでピンク色で示した箇所です。

表:ブラックジャックの戦略テーブル(合計12から合計17の範囲)
    ディーラーのオープンカード
    2 3 4 5 6 7 8 9 T A




合計12 H H S S S H H H H H
合計13 S S S S S H H H H H
合計14 S S S S S H H H SU H
合計15 S S S S S H H H SU H
合計16 S S S S S H H SU SU H
合計17 S S S S S S S S S S
T:10と数えるカード、H:ヒット、S:スタンド(ステイ)、SU:サレンダー

すこし冒険しすぎのような気もするかもしれませんが、次のイラストに示すようなプレイヤーが合計17のハンドにおいても、ヒットを選択して合計21で勝利確定の恩恵を得た方がよいか、検討の余地があります。ヒットで4を引いたときの勝ち確定により、この状況での期待値を向上させることができるかもしれません。

合計21で勝ちが確定するケースの考察2

この仮説の結果は、シュミュレーションにより求められ、「ポンツーンの戦略テーブル」のページにまとめられています。引いたカードの枚数に応じたボーナスも影響するため、かなり複雑な戦略となります。


ハードハンドのダブルダウンにも影響が及ぶ

プレイヤーのハンドが合計21となった時点で勝ちが確定するルールの影響は、ブラックジャックにおいてダブルダウンを選択すべきハンドの範囲にも及んでいます

次のイラストに示す状況を考えてみてください。

ブラックジャックではダブルダウンを選択すべき例

このハンドは、ブラックジャックではダブルダウンを選択するケースです。しかし、本書をお読みのみなさんも数えきれないほど体験されているとおり、ダブルダウンはかなり寒い結果となる場合があります。例えば、次のようなケースです。

ダブルダウンの失敗例

プレイヤーの3枚目のカードが2のカードで、合計は11です。ダブルダウンしなかったら、絵札期待の好ハンドです。さらに、ポンツーンならば期待どおりに絵札を引けたときに、勝ちが確定します。

ダブルダウンせずにヒットを選択した成功例

このような展開の可能性と、合計21で勝ちが確定することによる勝率および期待値の上昇を考えると、ポンツーンではダブルダウンを選択せずにヒットすべきかを評価しなければいけません。

ヒットすべきかの評価対象となるのは、次の戦略テーブルでピンク色で示すハンドです。

表:ブラックジャックの戦略テーブル(合計9から合計11の範囲)
    ディーラーのオープンカード
    2 3 4 5 6 7 8 9 T A




合計9 H D D D D H H H H H
合計10 D D D D D D D D H H
合計11 D D D D D D D D D H
T:10と数えるカード、H:ヒット、S:スタンド(ステイ)、D:ダブルダウン


ポンツーン対ポンツーンは考慮の必要なし

ポンツーンでは、プレイヤーのハンドがAのカードと絵札のポンツーンと組合せでポンツーンとなったときもプレイヤーの勝ちが確定します。

ブラックジャックでは、プレイヤーとディーラーが共にブラックジャックとなる可能性がある次のようなケースでは、イーブンマネーを選択すべきか戦略の検討が必要でした。

プレイヤー、ディーラー共にポンツーン

しかし、ポンツーンではプレイヤーに2枚のカードが配られた時点でプレイヤーの勝ちが確定するため、戦略を検討する必要はありません


サレンダーのルールの違いの影響

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戦略に影響を与えるサレンダーのルールの違いには、レイトサレンダーの採用と、サレンダーできるディーラーのオープンカードの範囲の違いがあります。


レイトサレンダーの影響

ブラックジャックではアーリーサレンダーを採用するカジノもありますが、ポンツーンではほぼ例外なくレイトサレンダーが採用されています

ブラックジャック上級者の方はよくご存じかもしれませんが、ブラックジャックにおいてレイトサレンダーが採用されている場合とアーリーサレンダーが採用されている場合で戦略に違いが生じるのは、次のイラストと表で薄赤色で示すハンドのみです。

レイトサレンダーの影響ハンド

表:ブラックジャックの戦略テーブル(合計14)
    ディーラーのオープンカード
プレイ
ヤー
  2 3 4 5 6 7 8 9 T A
合計14 S S S S S H H H SU H
T:10と数えるカード、H:ヒット、S:スタンド(ステイ)、SU:サレンダー

このプレイヤー合計14、ディーラーが絵札のハンドは、アーリーサレンダーが採用されている場合はサレンダー、レイトサレンダーが採用されている場合はヒットが戦略です。

ポンツーンではレイトサレンダーが採用されいます。かつ、これまで確認してきた10のカードのカードがない影響も、合計21でプレイヤーの勝ちが確定する影響も、ブラックジャックと比べてヒットを選択した場合に有利に働きます。

したがって、ポンツーンでは、プレイヤー合計14、ディーラー絵札ハンドで選択すべき戦略はヒットになります


ディーラーAのカードのカードで許可されるサレンダーの影響

Aのカードでもサレンダーできるならば、どんどんサレンダーすればいいよね』って思われた方、なかなかのブラックジャック上級者ですよね。

確かに、ブラックジャックでは、ディーラーがAのカードハンドの場合、サレンダーとヒットの判断の境目となる勝率25%を下回るハンドがかなりたくさんあります

ディーラーAハンドでのサレンダー

でも、カジノは一枚上手です。

ポンツーンでは、レイトサレンダーであることに加えて、10のカードのカードがないことなど、ブラックジャックとは異なるルールの影響があり、意外とサレンダーを選択すべきハンドは少ないんです

詳しくは、「ポンツーンの戦略テーブル」のページで確認しましょう。


ディーラー9のカードのカードで許可されないサレンダーの影響

ポンツーンでは、ディーラーのハンドがでAのカードのときにサレンダーできる反面、ディーラーのオープンカードが2のカードから9のカードのときにサレンダーすることができません

この条件に該当し、ブラックジャックでサレンダーを選択するハンドは、次の1通りです。

ディーラー9ハンドでのサレンダー

ポンツーンでは、このプレイヤーが合計16でディーラーがAのカードのハンドに遭遇した場合、ヒットを選択することになります


ダブルダウンのルールの違いの影響

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ポンツーンのダブルダウンの戦略は、ブラックジャックよりもかなり複雑です。本節では複雑な戦略となる背景を確認します。


ソフトハンドでダブルダウンを選択する戦略はない

ポンツーンでは、ソフトハンドでダブルダウンを行った場合、Aのカードを11と数えることはできません必ず1と数えます

このルールによって戦略に影響があるのは、次の表で表で薄赤色で示す範囲です。

表:ブラックジャックの戦略テーブル(ソフトハンドの範囲)
    ディーラーのオープンカード
    2 3 4 5 6 7 8 9 T A




Aのカード2のカード H H H D D H H H H H
Aのカード3のカード H H H D D H H H H H
Aのカード4のカード H H D D D H H H H H
Aのカード5のカード H H D D D H H H H H
Aのカード6のカード H D D D D H H H H H
Aのカード7のカード S D D D D S S H H H
T:10と数えるカード、H:ヒット、S:スタンド(ステイ)、D:ダブルダウン

※ プレイヤーAのカード4のカード、ディーラー4のカードの組合せにおいて、ダブルダウンを選択した場合とヒットを選択した場合の期待値は、ほぼ同じです。本サイトと連携している書籍「カジノでブラックジャックを楽しむための本」ではヒットを推奨していますが、ダブルダウンを推奨する書籍等もあるため、Aのカードを必ず1と数えるルールの影響範囲に含めています。

ソフトハンドのAのカードを1とカウントすると、戦略に影響のある範囲で、ハンドの合計は、Aのカード2のカードの組合せが最小で合計3、Aのカード7のカードの組合せが最大で合計8となります。

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この合計3から合計8のハンドにおいて選択すべき戦略は、ハードハンドの戦略を基に求めることができ、すべてヒットとなります。

つまり、このソフトハンドでダブルダウンを行ったときにAのカードを1と数えるルールの影響により、ソフトハンドにおいてダブルダウンの選択肢はなくなってしまいます


なかったことにできるダブルダウンの有効範囲は?

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ここからは、ダブルダウンの後に最初にベットしたチップを放棄してゲームを手じまうルールが、どのようなときに有効であるかを確認します。

次のイラストは、プレイヤーのハンドが合計11の状況でダブルダウンを選択した例です。

ダブルダウンの成功例と失敗例

ダブルダウンの典型的な成功例は、3枚目のカードが絵札で合計21となるケースです。このようなケースでは、サレンダーの必要がありません。

一方、3枚目のカードが小さな数のカードのとき、例えばAのカードのときは合計12となり、ダブルダウンがうまく決まらなかった例になります。このようなケースでは、サレンダーを選択すべきかの判断が必要になります。

サレンダーを選択するか否かは、ディーラーのオープンカードの数字を考慮に入れて判断する必要があります

例えば、次のイラストの状況は、ディーラーのオープンカードが8のカードで、ディーラーのハンドは18と推定されるため、プレイヤーはかなり不利な状況です。

ダブルダウンの成功例と失敗例

このイラストの状況では、サレンダーを選択するか検討が必要になる典型的なケースです。

一方、次のイラストは、プレイヤーのハンドは先のイラストとまったく同じ合計16ですが、ディーラーのオープンカードが6のカードであることから、状況はまったく異なります。

ダブルダウン失敗でもサレンダー不要な例

このダブルダウンの結果の状況は、次のプレイヤーが合計16、ディーラーが6の状況と同じです。

ダブルダウン失敗でもサレンダー不要な例

このプレイヤーが合計16かつディーラーが6の戦略は、スタンド(ステイ)です。したがって、ダブルダウンの後においても戦略はサレンダーではなく、スタンド(ステイ)となります。

このことから、ダブルダウンの後に最初にベットしたチップを放棄してゲームを手じまうルールが、戦略に影響を与える可能性がある範囲は、次の表のピンク色で示す範囲ということが解ります。

表:ブラックジャックの戦略テーブル(合計9から合計11の範囲)
    ディーラーのオープンカード
    2 3 4 5 6 7 8 9 T A




合計9 H D D D D H H H H H
合計10 D D D D D D D D H H
合計11 D D D D D D D D D H
T:10と数えるカード、H:ヒット、S:スタンド(ステイ)、D:ダブルダウン

表でグレーで示した範囲は、ダブルダウンがどのような結果になってもサレンダーの必要はない、と判断して構いません


チャレンジングなダブルダウンは有効か?

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ダブルダウンの後でサレンダーができるならば、ブラックジャックではダブルダウンの戦略ではないハンドでもダブルダウンを選択し、好結果でないときはサレンダーで逃げる作戦は有効なのか?、という疑問を感じている方もいらっしゃると思います。

ここでは、次の表で、青色、緑色、グレーが塗られたブラックジャックではダブルダウンを選択しないハンドについて、ダブルダウンの有効性を考えてみます。

表:ブラックジャックの戦略テーブル(合計8から合計12の範囲)
    ディーラーのオープンカード
    2 3 4 5 6 7 8 9 T A




合計8 H H H H H H H H H H
合計9 H D D D D H H H H H
合計10 D D D D D D D D H H
合計11 D D D D D D D D D H
合計12 H H S S S H H H H H
T:10と数えるカード、H:ヒット、S:スタンド(ステイ)、D:ダブルダウン

● 合計8のハンドでダブルダウンすると

合計8でのダブルダウン/ダブルは、合計9~11でダブルダウンを行う場合よりも、勝率、期待値が低くなることは明確です。

次のイラストを見てください。このイラストは、プレイヤーのハンドが合計8でダブルダウンを行ったときの典型的な成功例と失敗例を示しています。

合計8でのダブルダウン例

成功例は、3枚目のカードがAのカードで、合計19という結果です。合計19ですので、大成功とは言えず、まあまあ成功というレベルです。

最もうまくいったケースがまあまあ成功レベルの合計19ですので、合計8の状況でダブルダウンを選択することが戦略として成り立つかと問われると、かなり疑問ですよね。


● 合計12のハンドでダブルダウンすると

次のイラストは、プレイヤーのハンドが合計12の状況でダブルダウンを行った時の典型的な成功例と失敗例を示したものです。

合計12でのダブルダウン例

3枚目を引いた結果合 計が21となる成功パターンが存在するものの、最も発生確率の高い絵札のパターンではバーストしてしまいます。

バーストするとサレンダーを選択することはできず、プレイヤーが不利な状況になったときに負けを半分に抑える作戦が成り立ちません


● 戦略ヒットの合計9~11のハンドでダブルダウンすると

このケースは、プレイヤーのハンドの数がブラックジャックでダブルダウンを選択する範囲に収まっていることから、合計が8や合計12のケースよりも期待が持てそうです。

直観的には、プレイヤー合計11、ディーラーAのカードの組合せのときに、特に期待が持てそうです。

合計11、ディーラーAのハンド

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この範囲のダブルダウン/ダブルが有効かについては、ブラックジャックのデータだけでは判断が難しく、シミュレーションより判断を行いました。

納得したプレイヤー

当サイトで行ったシミュレーションの結果では、チャレンジングなダブルダンの選択が有効なケースはありませんでした



引いたカードの枚数に応じたボーナスの影響

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ここまでの説明の中で、ポンツーンの戦略テーブルは、ブラックジャックの戦略テーブルと比較して、かなり複雑であることを何回かお伝えしました。

戦略テーブルが複雑になる1番の原因は、これからお話する引いたカードの枚数に応じたボーナスの影響です

次のイラストには、プレイヤーに合計13の2つのハードハンドが記載されていますが、この2つのハンドは戦略上、同じではありません

2つの合計13のハンド

ハンド①は、スタンド(ステイ)を選択する典型的なケースです。プレイヤーのバーストを避け、ディーラーのバーストを待ちます。

一方、ハンド②では、ハンド①のようなオーソドックスな選択肢だけでなく、もう1枚カードを引いて5枚合計21のボーナスを狙うという選択肢が考えられます

ハンド②の状況で選択すべき戦略は、ブラックジャックの戦略より推測できず、シミュレーションの結果より求めることになります。当サイトにてシミュレーションを行い求められた戦略は、ヒットでした

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ポンツーンでは、このような枚数に応じたボーナスの影響をシミュレーションしなければいけないハンドがたくさんあります。得られた結果には、5枚合計21のボーナスを狙うケースや、6枚合計21をケースなど多様なケースがあります。

シミュレーションの結果は、「ポンツーンの戦略テーブル」のページに掲載していますので、ご確認ください。


カードの組合せによるボーナスと、スーパーボーナスの影響

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次のイラストには、合計14の7つのハンドが掲載されています。戦略上、この7つのハンドは異なるハンドです。

7つの合計14のハンド

ハンド①では、スタンド(ステイ)の戦略を選択します。

ハンド②、③、④では、スタンド(ステイ)の選択肢に加えて、6のカード7のカード8のカードの組合せによるボーナスを狙う選択肢があります

ハンド⑤、⑥、⑦では、スタンド(ステイ)の選択肢、7のカード7のカード7のカードの組合せボーナスの選択肢、さらにスプリットの選択肢があります

これらのハンドの最善の選択肢の検討は、ブラックジャックの戦略より推測できず、やはりシミュレーションによる考察が必要になります。

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シミュレーションの結果は戦略テーブルにまとめましたが、さすがに「合計14」の1行にまとめて記載するのは複雑な記述になりすぎるため、テーブルを分けて記載しています。

シミュレーションの結果は、「ポンツーンの戦略テーブル」のページの「6のカード7のカード8のカードのカードの組合せボーナス発生の可能性がある場合の戦略テーブル」および「カード7のカード7のカード7のカードの組合せボーナス発生の可能性がある場合の戦略テーブル」に掲載していますので、ご確認ください。


参考資料

*1:高橋英之. 2018.『カジノでブラックジャックを楽しむための本』(「第1章」, 「第2章」), ASBクリエイティブ株式会社 参考資料2

*3:Macao Sands, パンフレット『BLACKJACK House Advantage』2016 参考資料1

最終更新日:2023年05月28日

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